前説 1998/10/06撮影アルバム
月山登山情報。(標高1984m。名だたる冬季豪雪地帯。)
山開きは7月1日。ただし例年7月中旬まで雪渓が残っているので御注意。
登山期間は7月1日~10月中旬まで。
月山は古くからの信仰の山で、多くのルートが整備維持されています。時間は往路、一応の目安です。
《羽黒口》2時間30分。八合目登山口から5キロ。
《湯殿山口》3時間10分。湯殿山登山口から5キロ。
《姥沢口》1時間45分。リフト15分、徒歩90分3キロ。リフト無しだと2時間半4キロ。
《肘折口》10時間。肘折温泉から登山口に入り、念仏ヶ原経由20キロ。
《本道寺口》5時間20分。本道寺口から行人小屋経由10キロ。
《岩根沢口》4時間。岩根沢口から行人小屋経由7キロ。
1998年10月6日、早朝4時40分、自宅(秋田市)を車で出発。夜明けまで、満月と道行。
7時半に湯殿山ホテル前に到着。8時の湯殿山有料道路の開門まで車中仮眠。夏のシーズン中は6時の開門といいます。往復400円。
8時10分湯殿山参籠所着。巨大な赤鳥居があります。ここから参拝バスが随時出ています。片道100円。この仙人沢から、仙人岳と薬師岳の間に三つのピークのある湯殿山が見える筈でしたが、ガスのために全く見えません。
8時55分、湯殿山神社本宮は撮影禁止。御神体は茶褐色の巨大な岩とか。古来より人工の社殿は造られず、ただ板塀で囲まれており、中を窺うことは出来ません。社務所と白装束の一団を横目で見つつ、登山開始。
12時15分、月山神社着。ガスのため眺望は全くききません。昼食を摂り、12時45分もと来た道を下山開始。
15時35分、登山口、湯殿山神社本宮に戻る。16時15分、自家用車で仙人沢を出る。20時15分、自宅到着(秋田市)。
《装束場の近くの小さな湿原》
本宮前から、御沢の谷をゆっくり歩いていると、白装束の一団が追い付いて来て、小さな滝に向かい手を合わせています。
少し歩くと急坂が始まります。急斜面を沢水が走っています。その沢の水から頭を出している石段を一歩一歩登って行きます。これが水月光。続いて道は沢から外れ、少し行くと、鉄梯子が幾つもある金月光という急坂になります。
二つの月光坂を登り切った所が装束場で、一息つきながら峰を走る霧の狭間から谷筋を窺います。参拝バスの終点の駐車場が見えました。
装束場から清身川へ行く途中にある、池塘の脇を進みます。と、霧が一瞬その身を引いて、そのあとに、鮮やかな紅葉が姿を現わしました(写真では、くすんで見えますが・・・)。ミネカエデの繊細な枝振りに深紅が沈んでいます。

《清身川と湯殿山》
さらさらと流れる清身川の谷筋に来て、ふと振り返ると湯殿山がその姿を少し現していました。
その場で暫し、この霊山が全身を見せるのを期待して立って待っていましたが、結局再びサーッと霧の中に消え去って行ってしまいました。
この先のこの沢の合流点で暫しの休憩。

《清身川を過ぎての坂で、突然霧が割れる》
姥ガ岳の北西斜面を進んでいるときに、突然霧が割れて日差しがストロボのように照らされました。
チシマザサの茂みが照りのある輝きを取り戻し、カッと草黄葉の色が立ち上がります。
登山道が品倉尾根と並行に続いています。谷を越えた品倉の斜面に、雲の晴れ間から池塘の数々が現れては隠れ、隠れてはまた浮かび上がります。雲海の上から見下ろしている自分は、まるで、体が飛翔しているような感覚にとらわれます。
金姥の分岐点は、すっかり雲海の中に沈んでまるで眺望が効きません。谷底から吹き上がる風でブルッと寒気を感じてしまいます。
ここでは、ミネカエデの葉も殆ど落ちてしまっていました。
金姥から牛首まで柴灯森を右に巻いて、低木と草原の中の尾根歩きになります。

《鍛冶小屋と芭蕉句碑の間で、突然雲が切れる》
「雲の峰 いくつ崩れて 月の山」(芭蕉)
この写真の場所に着く迄の解説を少々・・・。上記の続きです。
牛首の右手はなだらかな草原の湿原地帯。高山植物を守るための木道が姥ガ岳下まで続いています。上空を盛んにガスが流れて、その濃淡が光の襞となって草原を波打っています。時々、光線の加減で木道の筋が、真新しい鉄線のように輝いて見えます。
瞬間、ハッとするような美しい色彩を草原に散らしたかと思うと、たちまちガスの下にくすんでしまいます。
牛首の左手は、古い火口壁の断崖になっています。柴灯森から流れてくるガスが、金剛沢の上を巻いていて、深い峡谷の眺望を遮ります。
月光坂の最後である鍛冶月光は、岩を組んだ急な石段です。石段の帯の先に小さく見えていた鍛冶小屋がそばに来たら、頂上の台地はすぐそこにあります。
鍛冶小屋を過ぎて頂上の台地の端が見えたと思ったら、突然雲が切れ、青空がぽっかり顔を出しました。慌ててカメラを取り出し今日初めての青空を撮りましたが、忽ち数秒後には元の灰色のガスに覆われてしまいました。

《頂上小屋と、ガスの中の月山神社》
頂上小屋も月山神社もすっかり冬ごもりしていて、すべて板戸で被ってあります。
ただ月山神社の神域は石垣に囲まれているので風よけになり、暖かいので、月読大神に御挨拶して、石畳に腰を下ろし昼食を摂りました。
この写真の月山神社の背景として、晴れていれば鳥海山が見えるはずでした。
なお三角点は、この神社の裏手にあります。神社下の道を、神社を迂回するようにして登って行くと岩場があり、その岩場の先にあります。

《鍛冶月光の下りで、湿原地帯を俯瞰》
写真右手の牛首から、写真左手の(姥沢に降りる)リフト上駅まで、一筋の木道がクネクネと続いています。
牛首から上の方に柴灯森を左に巻いて、登山道が薄く白く見えます。この道の先、柴灯森の端に当たるのが金姥です。その奥の姥ガ岳は雲の陰になっています。
ガスが下手の空で踊り、光が様々な表情を湿原地帯に現してゆきます。
牛首まで戻ってくると、不思議な事にここだけ空が晴れ上がって、草原一帯がキラキラと輝き見事な眺望を見せてくれました。交差路にある木のベンチに腰掛け、ボーッとして飽かず自然の色使いを眺めていました。
